「麺誕生秘話」鼓寅特製麺が誕生するまで・・・


今となっては鼓寅の大きな目玉商品である麺も、始めはひき麺を使用していました。(ひき麺とは、よその店から買った麺のことです。)

 

ところがある日、生麺の食感に深い感銘を受けたらしいマスターに異変が!

 

【この食感をどうにかして焼そばにも使えないものか?!この頃焼きラーメンなるものもはやってることだし!】と思い立ち、そこから麺との格闘の一年が始まったのです。

まずはとりあえず家庭用のパスタマシンを購入し、一年間、ほぼ毎日そのパスタマシンで手作り実験を繰り返します。もちろん美味しい麺などできるはずもなく、いや、むしろ、美味しくないどころか、マズイんですよ。そりゃ。

 

そんな麺を作っては捨てる、の毎日。その間に、せっせと温度、湿度、加水率、塩のデータをとり、何十種類もの粉を使って試してみますが、どうもイマイチぱっとしません。

 

・・・コシはいいんです。明らかにひき麺とは違うコシがあるんです。でも、どうしても味が出ない。ここからしばらく苦悩の日々です。卵を入れてみたらどうかと全卵を投入しますが、パッサパサのモッサモサ。この喉ごしの悪さはひどいもんです。(麺にゆで卵が混ざったと思っていただけたら分かるかな?)こりゃいかんと卵白だけにしてみると・・・なんと!ツルツルの喉ごしが出たじゃありませんか!やった!卵の風味もいい具合に出てきて、なかなかいいんじゃないですか?!明るい光がさしてきたんじゃないですか?!

 

と、まさにちょうどそんな折、オタフクソースのイベントで紹介していただいたのが山田鉄工所。製麺機製造販売のパイオニアです。

 

しかし、製麺機購入となると当然値もはるし、お好み焼屋だし、一体どうしたもんかとしばらく悩むのですが・・・

・・・ええい!悩んでてもしょうがない!買ってしまえ!!自家製麺のお好み焼屋があったっていいじゃないか!!

 

と思ったのかどうなのか、購入を決意します。

はてさて、今度は製麺機を使用しての麺作り。やっぱりパスタマシンとはわけが違う。ためしに作ってみますが、今度はコシが出すぎてかたい!!

 

 それからはせっせと圧延のかけ方(伸ばす時の力加減)を研究し、それまでのやり方に比べると3倍労力を必要とするものの、うまくいく方法がついに完成します。

 

手間はかかりますが、やっとのことでかたさをなくしてコシだけ残すことに成功!!ヤッター!!ついに完成だー!!即販売決定!!

 

・・・ところが、なんだか麺が長いんです。今までの3倍くらいはあろうかと言う長さ。取り分けしようと思ったら、最初の一すくいで8割がたすくえてしまう・・・。ところがそんなことはものともせず、売り上げも3倍くらい伸びました。何はともあれ大成功!(麺は後々切ることになりましたよ。)

 

それでも、鼓寅はとどまるところを知りません。今もまだ日々研究は続いています。次はどんなことをしようかな・・・。